Raspberry Pi Zero WH のセットアップ方法(備忘録)です。
はじめに
ここでは、Sayabo の備忘録として Raspberry Pi Zero WH のセットアップ方法を記録していきます。
申し訳ございませんが記事内容は、不備や不具合等が含まれる場合がございます。動作保証するものでは、ありませんのでご参考にされる場合、自己責任にてお願いします。
公式のセットアップについては、「Getting Started」を参照願います。
概要は、MicroSD に Raspberry Pi OS のイメージを準備してスタートを開始し USB ケーブルからの通信による初期設定をはじめるところまでとなっています。
準備するもの
Raspberry Pi Zero WH 本体の他に初期セットアップで必要となるものを準備します。
- MicroSD カード
- USB ケーブル
- PC Windows 11
MicroSD カード について
Raspberry Pi Zero の場合、MicroSD の容量の制限があるため 8GB 以上 256GB 以下を使用します。
ディスク容量は、用途によって決めてください。
必然的に MicroSDHC カードまたは、microSDXC カードになると思います。
速度規格は、class 10 を選択しましょう!
私は、「Transcend microSDHC カード 16GB Class10」を使用しています。
USB ケーブル について
Windows パソコンから Raspberry Pi Zero へ接続して設定作業をおこなうため、USB 2.0 Micro B 規格のデータ転送と電源(5.0V)の供給ができるケーブルが必要です。
PC Windows 11 について
今回は、Windows 11 のパソコンからセットアップの操作をします。
TeraTerm などの SSH ターミナルエミュレーターを使用します。
Raspberry Pi OS のインストール
準備した MicroSD カードへ Raspberry Pi OS のイメージをダウンロードしてインストールします。
SD Memory Card Formatter などを使用して MicroSD カードを初期化(フォーマット)します。
OS イメージのダウンロード
Raspberry Pi OS のイメージを公式サイトからダウンロードします。
https://www.raspberrypi.com/software/operating-systems/
今回は、「Raspberry Pi OS Lite」の2022年5月現在の最新版(ベース OS の Debian version 11 (bullseye))では、ありません。
なぜならば最新の Debian version 11 (bullseye) バージョンには、公式のリリースノート通り、標準の「pi」ユーザーがありません!
なので SSH 接続による初期セットアップが困難となります。
今回は、2021年05月07日にリリースされた Raspberry Pi OS Lite(Debian version 11 (buster)) をダウンロードします。
上記の公式ダウンロードページにある Raspberry Pi OS Lite から Archive をクリックして raspios_lite_armhf-2021-05-28 をクリックします。
2021-05-07-raspios-buster-armhf-lite.zip をクリックしてダウンロードします。
イメージファイルの書き込み
ダウンロードした「2021-05-07-raspios-buster-armhf-lite.zip」ファイルを右クリックして「すべて展開」を選択します。
解凍されたイメージファイル「2021-05-07-raspios-buster-armhf-lite.img」を MicroSD カード へ書き込みます。
イメージの書き込みは、Raspberry Pi 公式の Raspberry Pi Imager などのソフトウェアがあります。
今回は、イメージの書き込に「BalenaEtcher」のライターソフトを使用しました。
balena の ダウンロード ページから該当するプログラムをダウンロードしてインストールします。
BalenaEtcher を起動します。
「Flash from file」から先ほど解凍したイメージファイル(2021-05-07-raspios-buster-armhf-lite.img)を選択します。
「Select target」から先ほどフォーマットした MicroSD カードのあるドライブ(E:\など)を選択します。
「Flash!」をクリックしてイメージファイルの書き込みを開始します。
完了まで、さほど時間は、かからないと思われます。
MicroSD カードへの書き込みが完了しましたら、ひと手間加えますので MicroSD カードを抜いてからもう一度、PC へ差し込みます。
USB On the Go (OTG)
Windows PC と Raspberry Pi Zero WH を USB ケーブルで接続して初期セットアップするための準備をします。
イメージファイル(boot)の編集
Windows PC から先ほどの MicroSD カードの「boot」フォルダを「エクスプローラー」で開きます。
「boot」フォルダにある「commandline.txt」をテキストエディター(秀丸など)で編集します。
末尾に半角空白を入れた後に「modules-load=dwc2,g_ether」を追記します。
# 例です。末尾の modules-load=dwc2,g_ether を追記してください。 console=serial0,115200 console=tty1 root=PARTUUID=XXXXXXXX-XX rootfstype=ext4 elevator=deadline fsck.repair=yes rootwait modules-load=dwc2,g_ether
次に「boot」フォルダにある「config.txt」をテキストエディターで編集します。
末尾で改行後、「dtoverlay=dwc2」を追記します。
~ dtoverlay=dwc2
次に「boot」フォルダへ「ssh」という拡張子のない名前の空ファイルを作成します。
この ssh ファイルがないとパソコンから TeraTerm 等による USB を通じた SSH 接続をすることができません。
USB Ethernet Remote NDIS (RNDIS) Gadget Driver の準備
リモート NDIS とは、USB などでパソコンに接続されているデバイス間とネットワーク接続をするためのドライバです。
以下のサイト(どちらか)などから該当するドライバをダウンロードします。
https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=USB%20RNDIS%20Gadget
https://www.driverscape.com/download/usb-ethernet-rndis-gadget
zip や cab でアーカイブされたダウンロードファイルを解凍します。
解凍されたフォルダの中に「RNDIS.inf」ファイルがあることを確認します。
※ 「RNDIS.inf」ファイルは、後ほどドライバの更新で使用しますが、認識されない場合、以下のマイクロソフト公式サイトにDNDIS INF のテンプレートや解説がありますので改変して対応することができます。
USB 接続
準備した USB ケーブルで Windows PC と Raspberry Pi Zero WH を接続します。
この時、Raspberry Pi Zero の「USB」側に Micro B タイプ端子を接続します。
RNDIS による接続を行う間は、外側になる「PWR IN」に接続しないよう注意してください。
USB の A タイプ端子側を Windows PC へ接続します。
Raspberry Pi Zero WH の LED が光って OS の起動が開始されます。LED の点滅が終わるまでしばらくかかります。
ドライバの更新
Windows PC のスタートメニューにある Windows アイコンを右クリックして「デバイスマネージャ」を開きます。
「USB シリアルデバイス」を右クリックして「ドライバの更新」をクリックします。
「コンピュータを参照してドライバーを検索」をクリックします。
先ほど準備した「RNDIS.inf」ファイルがあるフォルダを選択します。
ドライバの更新が正常に終わると「デバイスマネージャ」の「ネットワークアダプター」に「USB Ethernet/RNDIS Gadget」と表示されると思われます。
※ RNDIS.inf ファイルを直接、右クリックして「インストール」を選択してもドライバが認識されると思われます。
TeraTerm から SSH 接続確認
Windows PC の TeraTerm を起動します。
ホスト名に「raspberrypi.local」を入力して SSH 通信で「OK」ボタンをクリックします。
反応は、やや遅いですが初期認証の ユーザーID と パスワードを入力します。
user : pi
password : raspberry
Raspberry Pi OS へログインができたかと思われます。
ログイン後は、「raspi-config」などで用途に応じて Wifi などの初期設定をしてください。
pi ユーザーと root の初期パスワードは、すぐに変更しましょう!
以上です。
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